電子契約の保管方法とは?電子帳簿保存法の要件や正しい管理方法を徹底解説
電子契約の保管は、電子帳簿保存法の要件に沿って適切に管理する必要があります。
紙の契約書とは異なり、保存方法や検索性、改ざん防止などに配慮しなければなりません。
本記事では、電子契約の主な保管方法と、それぞれの特徴や注意点について解説します。
ぜひ、自社の運用に役立ててください。
電子契約の保管方法は大きく分けて2種類
電子契約の保管方法は、社内システムで管理する方法と電子契約サービスを利用する方法の2つに分かれます。
ここでは、それぞれの特徴について解説します。
社内システムで保管する方法
社内システムによって保管する方法は、自社のファイルサーバーや文書管理システムを活用する手法です。
初期費用やランニングコストを抑えやすい点が特徴といえます。ただし、電子帳簿保存法に対応した運用ルールの整備やアクセス権限の管理、バックアップ体制の構築などを自社で行う必要があります。
さらに、タイムスタンプの付与や検索機能の確保なども適切に対応する必要があるため、担当者の負担が大きくなりやすい傾向にあるといえます。
電子契約サービスを使って保管する方法
電子契約サービスを使う方法は、契約締結から保管までを一元的に管理できる点が大きな特徴です。電子帳簿保存法の要件に対応した機能があらかじめ備わっているため、運用負担の軽減もメリットです。
アクセス制御やログ管理、タイムスタンプの付与なども自動で行われるケースが多く、セキュリティ面でも安心感があります。法改正への対応もサービス側で行われるため、継続的な管理の手間を抑えたい企業におすすめです。
電子契約を保管する際の電子帳簿保存法の要件
電子契約を適切に保管するには、電子帳簿保存法で定められた要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合、税務調査などで問題となる可能性があります。
ここでは、電子契約を保管する際の電子帳簿保存法の要件について解説します。
真実性を確保する
真実性とは、電子契約データが改ざんされていない状態を維持する考え方のことです。この要件を満たすには、契約締結時にタイムスタンプを付与する方法が有効です。さらに、訂正や削除の履歴が残るシステムを導入し、不正な変更を防ぐ仕組みを整える必要があります。
アクセス権限を適切に管理し、限られた担当者のみが操作できる状態にする対応も重要です。これらの対策を組み合わせて、データの信頼性を維持しましょう。
可視性を確保する
可視性とは、必要な電子契約データをすぐに確認できる状態を保つ考え方のことです。そのため、契約書の内容をパソコンの画面で明確に表示できる環境を整えなくてはなりません。加えて、日付や取引先などの条件で検索できる機能を備えることも重要です。可視性を確保すれば、税務調査時にも迅速に対応できるでしょう。
2022年に実施された電子帳簿保存法の改正点
2022年の電子帳簿保存法改正では、電子データ保存の要件が見直され、企業の負担軽減が図られました。
ここでは、2022年に実施された電子帳簿保存法の改正点を4つ紹介します。改正内容を正しく理解し、自社の運用に反映させましょう。なお、電子帳簿保存法はその後、 令和5年度税制改正 (2024年1月1日適用)によっても、スキャナ保存要件の緩和や検索要件の免除対象者の拡大などの見直しが行われています。
検索要件が緩和された
改正により、電子データの検索要件は以下に緩和されました。
- 記録項目は取引年月日、取引金額、取引先に限定
- 日付又は金額の範囲指定により検索できること
- 二つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること
※ 保存義務者が、税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、上記検索要件のうち、b・cの要件が不要となります。
スキャナ保存の事前申請が不要になった
改正前は、スキャナ保存や電子帳簿等保存を行う際には税務署長への事前申請が必要でしたが、改正後は、この手続きは廃止となり、承認を受けずに運用を開始できます。これにより、導入までのハードルが下がり、スピーディーな対応が可能になりました。ただし、要件を満たしているかの確認は引き続き重要であるため、社内体制の整備は欠かさず行いましょう。
タイムスタンプ要件が緩和された
電子帳簿保存法の改正では、タイムスタンプに関する要件も大きく見直されました。
スキャナ保存時のタイムスタンプの付与期間は、従来の3営業日以内から最長約2か月と概ね7営業日以内へと延長されています。さらに、訂正や削除の履歴が残るクラウドサービスを利用する場合、タイムスタンプの付与が不要となりました。また、受領者による書類への自署が不要となり、適正事務処理要件も廃止されました。
これにより、実務負担が軽減につながり、柔軟な運用が可能となりました。
▶関連記事: タイムスタンプの作成方法は?電子帳簿保存法との関係性や注意点も解説
電子取引データの電子保存が義務化された
改正により、電子取引でやり取りしたデータは電子のまま保存する義務が課されました。従来は紙に印刷して保管する運用も認められていましたが、現在は認められていません。
メールで受領したPDFの請求書や、ECサイトからダウンロードした領収書などは、電子取引に該当します。
これらはデータ形式のまま保存し、検索や確認ができる状態を維持しなくてはなりません。適切な管理体制を整え、法令に沿った運用を行いましょう。
電子契約を安全に保管するための注意点
電子契約を安全に保管するには、法令要件を満たせば良いものではありません。たとえ法令要件を満たしていても、不適切な管理は情報漏洩やデータ消失につながるおそれがあります。
これから紹介する注意点を理解してリスクを最小限に抑えましょう。
セキュリティ対策を強化する
電子契約の保管において、不正アクセスや情報漏洩を防ぐセキュリティ対策が不可欠です。データの暗号化を行うなど、外部からの不正な侵入を防ぐ仕組みを整えましょう。
あわせて、アクセス権限を細かく設定し、閲覧や編集ができる担当者を限定する管理も重要です。ログ管理を導入し、不審な操作を検知できる体制を整えることで、セキュリティレベルを高められます。
バックアップ体制を構築する
電子契約データは、災害やシステム障害によって失われるリスクがあります。定期的にバックアップを取得し、データを複数の場所に分散して保管しましょう。例えば、クラウドストレージと社内サーバーを併用するなど、冗長性を確保した運用が有効です。復旧手順もあらかじめ整備し、万が一の際に迅速に対応できる体制を整えましょう。
社内ルールを整備する
電子契約の保管を適切に行うには、社内ルールの整備が重要です。ファイル名の付け方や保存先のルールを統一し、誰でも迷わず管理できる状態を目指しましょう。
さらに、定期的な教育や見直しを行い、コンプライアンス意識を維持する取り組みも大切です。ルールが曖昧なまま運用すると、検索性の低下や誤操作の原因になるため、一度社内ルールを確認してみましょう。
電子契約の保管方法は電子契約サービスが最適
電子契約の保管は、電子契約サービスを活用する方法が効率的です。
ここでは、電子契約サービスの特徴やメリットを紹介します。
法対応を自動化できる
電子契約サービスには、電子帳簿保存法の要件に対応した機能が備わっています。タイムスタンプの付与や検索機能の確保などを自動で行うため、担当者の負担を軽減できます。法改正があった場合にもサービス側でアップデートされるため、継続的な対応にかかる手間を抑えられるでしょう。
業務効率が大幅に向上する
電子契約サービスを導入すると、契約書の検索や共有、管理がスムーズになるのもメリットです。紙の契約書のように保管場所を探す手間がなくなり、必要な情報にすぐアクセスできます。また、社内外での情報共有も簡単になり、契約業務全体の効率化につながります。業務スピードを向上させたい企業はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
安全性と証拠力を担保できる
電子契約サービスでは、電子署名やデータの暗号化によって安全性を高めています。これにより、不正な改ざんや情報漏洩のリスクを抑えられます。契約の締結日時や操作履歴が記録されるので、証拠力の高いデータとして保管できます。トラブル発生時にも、信頼性の高い記録としての活用が期待できます。
電子契約の保管ならベクターサインにおまかせ
「 ベクターサイン 」は、電子契約の締結から保管までを一元管理できるサービスです。電子帳簿保存法や電子署名法などの関連法令に準拠しており、法対応も安心してまかせられます。また、AATL認証の電子署名や多層的なセキュリティ対策により、改ざん防止や安全性を確保しています。契約書の長期保管や電子インボイス対応にも活用でき、効率的で信頼性の高い運用を実現します。
基本料金0円、送信費用は1通あたり400円(税込440円)の従量課金制のプランもあるため、コストを抑えて導入可能です。電子契約サービスの導入や見直しをご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。
電子契約の保管方法に関するよくある質問
Q1. 電子契約の保存期間はどのくらいですか?
A.法人税法上、原則として7年間の保存が必要ですが、欠損金の繰越控除を適用する事業年度は最長10年間の保存が求められます。また、会社法でも重要書類は10年間の保存が定められているため、実務上は10年間を目安に保管するのが一般的といえます。
Q2. 紙で締結した契約書をスキャンして電子保存できますか?
A.可能です。電子帳簿保存法の「スキャナ保存」に該当し、要件を満たせば原本の紙を破棄することも認められています。ただし、解像度(200dpi以上)やタイムスタンプの付与など一定の要件があるため、運用ルールを整備したうえで対応しましょう。
Q3. 電子契約サービスを解約した場合、保管データはどうなりますか?
A.サービスによって対応が異なり、解約と同時にデータが削除されるケースもあります。
契約データは法定保存期間にわたる保管義務があるため、解約前にデータをエクスポートし、別の保管先へ移行する準備が必要です。サービス選定時は、エクスポート機能の有無も確認しておきましょう。
まとめ
電子契約の保管は、電子帳簿保存法の要件を満たしながら適切に管理しなくてはなりません。
自社での運用も可能ですが、法対応やセキュリティ対策の負担を考慮すると、電子契約サービスの活用が効率的です。
効率性と安全性を両立した管理体制を構築するためにも、自社に合ったサービスの導入を検討しましょう。
「ベクターサイン」は、電子契約の締結から保管までを一元管理できるサービスです。法令要件に対応した機能を備え、スムーズな運用を実現します。電子契約の導入や見直しを検討している場合、ベクターサインの活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
この記事を監修した人:ベクターサイン