電子署名とは?電子署名の流れと基本的な仕組みをわかりやすく解説

契約書や申込書などの手続きをオンラインで完結できる仕組みとして、「電子署名」の活用が広がっています。
電子署名を利用すれば、紙の書類を用意したり、郵送したりの手間を省きながら、安全に契約を締結できます。

しかし、電子署名の仕組みそのものや、契約成立までの流れを正しく理解されている人は多くありません。
本記事では、電子署名の基本と契約締結までの流れについて、わかりやすく解説します。

電子署名とは?基本的な仕組みを解説

まずは、電子署名の定義や利用場面、電子契約における役割など、基本的な内容を押さえていきましょう。

電子署名とは

電子署名とは、電子文書において、紙の文書の署名や押印に相当する役割をもつ仕組みです。電子文書に対して、署名者の本人確認や文書内容に変更がないことを証明する役割を担っています。

日本では「電子署名及び認証業務に関する法律」により、「一定の技術的要件を満たした電子署名は、本人が署名したものと推定され、紙の署名や印鑑と同等の法的効力を持つ」と規定されています。この法的効力により、電子文書でも契約書や合意書として利用でき、紙の書面と同様に契約の証拠として扱えるのです。
そのため、オンライン上で契約手続きを完結できる点が大きなメリットといえます。

電子署名は電子契約の一部として利用されることが多く、契約全体の仕組みを理解しておくことで、よりスムーズに導入を進められます。

電子契約の基本的な仕組みや導入方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶関連記事: 電子契約サービスを無料で導入する方法と注意点をわかりやすく解説

電子署名が利用される場面

電子署名は、主に次のように証拠性が求められる文書で利用されています。

●契約書

●承諾書

●申込書

●業務に関する各種合意書

これらの文書を電子化することで、紙の書類を印刷して対面で手渡したり、郵送したりする必要がなくなります。
契約書を電子文書として作成し、電子署名を付与して送信することで、離れた場所にいる相手ともオンライン上で契約手続きを進められます。

電子署名の4つの役割

電子署名は、電子文書が正しく署名されたものであり、内容の変更がないことを保証するなど、文書の信頼性を確保するために次の4つの役割を果たしています。

役割 内容
本人性の証明 署名した本人だと証明できる
改ざん防止 署名後、文書に変更がないと確認できる
契約の証拠性の確保 契約内容や合意の事実を証明する資料として利用できる
コンプライアンスの強化 契約手続きの正当性や管理体制を明確にできる

電子署名の仕組み

電子署名は、電子文書について署名者本人の署名であることや、文書の内容に変更がないことを保証する仕組みで成り立っています。電子署名には、電子証明書を利用する当事者型と、サービス事業者が本人確認を行う立会人型があります。

ここでは、電子署名の仕組みについて解説します。

ハッシュ化によるデータの要約

電子署名では、まず文書データを「ハッシュ化」します。
ハッシュ化とは、文書の内容から一定のルールにもとづいて計算し、固定長の文字列である「ハッシュ値」を生成する処理です。ハッシュ値は文書内容を要約したデータで、内容が少しでも変わると大きく変化します。
この性質を利用することで、署名後に文書が改ざんされていないか確認できます。

秘密鍵による署名

文書をハッシュ化してハッシュ値を生成した後、次に署名者は「秘密鍵」を使って、そのハッシュ値を暗号化します。
この処理によって、電子署名が生成されます。

秘密鍵とは、署名者本人だけが管理できる暗号鍵です。そのため、秘密鍵で生成された電子署名は、署名者本人が署名したと示す証拠となります。

公開鍵による検証

電子署名が添付された文書を受け取った側(=受信者)は、署名者の「公開鍵」を使って署名を検証します。

公開鍵とは、電子署名の確認に利用される、秘密鍵と対になる鍵のことです。受信者は公開鍵を用いて署名を復号し、文書から生成したハッシュ値と一致するかを確認します。値が一致すれば、文書が署名後に変更されていないことや、署名が正しく添付されていることを確認できる仕組みです。

この検証によって、電子署名の真正性が確かめられます。

認証局と電子証明書

電子署名では、署名者の本人確認をより確実にするために、「電子証明書」が利用されます。電子証明書とは、署名者の情報と公開鍵を結びつけて証明するデータです。

この電子証明書は、第三者機関である「認証局」から発行されます。
認証局が署名者の情報を確認したうえで証明書を発行することで、公開鍵の所有者が本人であるということを第三者から確認できるようになります。これにより、電子署名の信頼性がさらに高まるのです。

関連用語との違い

電子署名と似た言葉に、「電子印鑑」や「電子サイン」、「タイムスタンプ」などがあります。実際には、それぞれの役割は同じではありません。

電子署名は、公開鍵暗号方式などの技術を用いて、署名者の本人確認や、文書に変更が加えられていなことを証明できる仕組みです。
一方で、電子印鑑や電子サインは、文書に印影や署名画像を付ける仕組みを指す場合があり、必ずしも署名者の本人確認や書き換え防止を保証するものではありません。

また、タイムスタンプは、文書が特定の時刻に存在していたことを証明する技術です。
電子署名と組み合わせることで、文書の作成時刻や、署名後に書き換が行われていないかをより確実に確認できます。

タイムスタンプの仕組みや具体的な役割について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶関連記事: タイムスタンプを無料で使う方法と注意点をわかりやすく解説

電子署名の契約締結までの流れ

電子署名を用いた契約では、文書の作成から署名の検証まで、一連の手順が確立されています。
ここでは、電子署名による契約がどのように締結されるかの流れを解説していきます。


文書データの作成

契約書や承諾書など、署名の対象となる文書を電子データとして作成します。
多くの場合、PDF形式などで作成され、後に電子署名を付与したり、文書の書き換えの有無を確認する際に利用されます。作成時には、署名を必要とする箇所を明確にすることが重要です。
これにより、署名者がどの部分に署名したか正確に確認でき、契約内容の証拠性が確保できます。

電子署名の添付

署名者は、作成した文書に対して電子署名を付与します。電子署名には、署名者の本人確認や、文書内容の変更がないことを証明する方法が組み込まれています。署名が付与され送信された文書は、受信者が署名を検証できる状態になっており、オンライン上でも契約手続きを進められます。

署名の検証

受信者が、署名者の公開鍵で電子署名を検証することで、次の点を確認できます。

●署名が正しく添付されていること

●文書内容が署名後に変更されていないこと

●署名者本人の署名であること

検証が完了すると、契約の成立と証拠性を確認できます。

電子署名の基本的な流れ

ここまで解説してきた電子署名を用いた契約の手順をまとめると、以下のようになります。

1.文書作成:署名対象となる電子文書を作成

2.署名付与:署名者が文書に電子署名を付与

3.文書送信:署名済み文書を相手方に送信

4.署名検証:受信者が公開鍵で署名を検証

5.契約完了:契約が成立したことを確認

この流れにより、紙のやり取りを行わずに安全に契約を締結できます。

電子署名を簡単に導入するならベクターサイン

電子署名を実際に導入する場合は、電子契約サービスを利用するとスムーズです。

ベクターサイン 」は、契約書の作成から署名依頼、締結後の履歴管理までをクラウド上で一元管理できる電子契約サービスです。PDF文書にオンラインで署名できるため、郵送や押印の手間を省き、契約手続きを効率化できます。

電子契約サービスを選ぶ際は、料金や機能の違いを比較し、自社に合ったサービスを選定することが重要です。
主要サービスの料金や特徴を比較したい方は、以下の記事をご覧ください。

▶関連記事: 電子契約サービスを安く使うための料金比較|低価格サービス5社を比較

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電子署名に関するよくある質問

Q1. 電子署名と電子サインの違いは何ですか?

A.電子署名は、公開鍵暗号などを用いて本人確認や改ざん防止を行う仕組みです。
一方、電子サインは署名画像の貼り付けなど簡易的な方法で、必ずしも同様の証明力はありません。

Q2. 電子署名は無料で利用できますか?

A.電子署名は、無料プランを提供している電子契約サービスを利用すれば、費用をかけずに始めることも可能です。
ただし、機能や送信件数に制限があるため、用途に応じて選ぶ必要があります。

無料で利用する方法については、こちらの記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
▶関連記事: 電子署名の意味と仕組み、無料での利用方法について

Q3. 電子署名にはどのような種類がありますか?

A.電子署名には「当事者型」と「立会人型」があります。
当事者型は電子証明書を用いた高い証拠力が特徴です。一方、立会人型は導入しやすく、多くの企業で利用されています。

まとめ

電子署名は、電子文書において署名者の本人確認と、文書に変更がないと証明する仕組みです。
公開鍵暗号方式や電子証明書などの技術を利用することで、紙の契約書と同様の証拠性を確保できます。

契約の流れは、文書の作成・署名の付与・文書の送信・署名の検証という手順で進み、オンライン上でも安全に契約を締結できます。
電子署名の仕組みを理解しておくことで、電子契約をより適切に活用できるでしょう。

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この記事を監修した人:ベクターサイン
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