電子領収書に署名は必要?電子領収書のメリット・デメリットを徹底解説

電子領収書に署名が必要かどうかは、多くの企業が気になるポイントです。電子領収書において手書きの署名や押印は必須ではありません。ただし、電子帳簿保存法に基づき、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴の確保、電子署名の活用など、真正性を担保する措置が求められます。
本記事では、電子領収書の基本的な仕組みから署名の必要性について解説します。
さらに、電子領収書のメリット・デメリット、注意点も解説しているため、ぜひ参考にしてください。
電子領収書とは電子データとして発行・保存される領収書のこと
電子領収書とは、紙ではなく電子データとして発行・保存される領収書のことです。PDF形式で発行されたものに加え、紙の領収書を撮影やスキャンで電子化したデータも対象に含まれます。デジタル領収書と呼ばれるケースもあり、近年は多くの企業が導入するようになりました。
電子領収書の特徴は、紙の保管や管理にかかる手間を削減できる点です。検索や共有が容易になり、業務全体の効率化につながります。テレワークの普及により、電子化の重要性はさらに高まっていくでしょう。
電子帳簿保存法改正により領収書の署名は不要に
電子領収書においては、署名は必須となりません。電子帳簿保存法の改正によって、タイムスタンプや保存要件が緩和され、紙の領収書のように押印・署名による管理の必要性がなくなりました。
以前は、不正防止の観点から、紙による確認や署名が求められていましたが、現在では、タイムスタンプの付与や訂正履歴の確保など、電子的な方法で信頼性を担保する仕組みが重視されています。そのため、署名がなくても法的要件を満たすことが可能となりました。
ただし、社内ルールとして署名を残すケースもあるため、運用方針の確認が重要です。
電子領収書のメリット
紙の領収書と比較すると、電子領収書には多くのメリットがあります。
ここでは、電子領収書を導入することで得られる具体的なメリットを4つ紹介します。
印紙税が不要になる
紙の領収書では、取引金額が5万円以上の場合に印紙税の負担が発生します。
一方、電子領収書は紙の文書ではなく、電子データとして扱われるため、課税文書に該当せず印紙税がかかりません。
取引件数が多い企業ほど負担軽減の効果を実感できるでしょう。継続的に発生するコストを見直すうえでも、電子化は有効な手段なのです。
業務効率化につながる
電子領収書は、作成から送付、保管までをオンラインで完結させられるのもメリットです。
紙のように印刷や郵送を行う必要がない上、押印作業も省略でき、経理担当者の作業負担を大きく軽減できます。
また、検索性に優れている点も特徴です。日付や金額、取引先などの情報で簡単に絞り込めます。必要な書類を短時間で見つけられるため、確認作業の効率も向上するでしょう。
テレワークにも対応できる
電子領収書は場所を問わず処理できるため、テレワークにも対応可能です。
紙の領収書では、出社して確認や押印を行う必要がありました。外出先や自宅でも確認や承認作業を進められます。働き方の多様化が進む中で、テレワークにも対応できるのは大きなメリットといえるでしょう。
領収書を保管するスペースを確保しなくて済む
電子領収書は紙のように物理的な保管スペースが不要なのもメリットです。
保管コストの削減に加え、オフィスのスペースを有効活用できるのも嬉しいポイントです。また、データとして管理することで、紛失リスクの低減にもつながるでしょう。
領収書を電子化するデメリット
電子領収書は多くのメリットがある一方で、導入時や運用面で注意すべきデメリットもあります。
ここでは、電子化を進める際に押さえておきたいデメリットを2つ紹介します。
すべての領収書を電子化できるとは限らない
領収書は必ずしもすべて電子化できるわけではありません。
電子領収書として管理するには、法令で定められた要件を満たさなければならず、万が一、要件を満たさない場合、紙のまま保管する必要があります。そのため、運用が煩雑になる可能性がある点に留意が必要です。
電子化を進める際は、紙と電子が混在しないよう工夫するのがポイントです。
初期費用が大きくなる可能性がある
電子領収書の導入には、専用のソフトやクラウドサービスの導入が必要となるため、一定の初期費用が発生したり、環境によってはデバイスの追加導入が求められるケースもあり、短期的にはコスト負担が増える可能性に留意が必要ですが、長期的に考えると印紙税や保管コストの削減につながります。
電子領収書を発行する方法
電子領収書の発行方法は、主に手作業で作成する方法と、専用システムを活用する方法とに分かれます。
どちらも電子領収書として運用できますが、特徴が異なりますので、注意が必要です。
ここでは、電子領収書の発行方法について解説します。発行枚数や業務フローに応じて適切な方法を選びましょう。
WordやExcelを使う方法
WordやExcelを使った発行は、すぐに始められる点が魅力です。テンプレートを用意すれば、特別なツールを導入せずに運用できます。ただし、内容を手入力しなくてはならないため、金額や日付の入力ミスを起こさないように、作業後の確認ルールを定義するなど対策をしておくと安心です。
また、発行枚数が増えるほど確認作業の負担も大きくなる傾向にあるため、時間効率の悪化を招くおそれがあります。
WordやExcelを使う方法は、小規模な運用には適していますが、業務量が多い場合は注意が必要です。
電子領収書発行システムを使う方法
効率的な運用を実現したい場合は、電子領収書発行システムが便利です。
電子領収書発行システムは取引情報を自動で反映できるため、手入力の手間を減らすことができ、入力ミスや記載漏れのリスクを抑えられます。さらに、チェック機能も備わっているので、内容の正確性も向上します。
法令に対応した保存機能が用意されており、業務の効率化とコンプライアンスの両立を図りたい企業には最適な方法です。
電子領収書を導入する際の注意点
電子領収書を導入する際は、利便性だけでなく法令対応や運用ルールにも注意が必要です。
トラブルを未然に防ぐためにも、事前に注意点を把握しておきましょう。
ここでは、電子領収書を導入する際の注意点を3つ紹介します。
電子署名で真正性を担保する
電子領収書では、手書きの署名や押印に代わり、電子署名やタイムスタンプなどの仕組みを活用し、真正性を担保します。
電子署名とは、デジタル技術により「誰が作成したか」「改ざんされていないか」を証明する仕組みであり、紙の押印とは異なる技術的な手段です。信頼性の高い運用を実現するためにも、電子署名やタイムスタンプの仕組みを適切に導入しましょう。
▶関連記事: タイムスタンプの作成方法は?電子帳簿保存法との関係性や注意点も解説
取引先からの同意を得る
電子領収書の運用において、事前に取引先の理解・同意を得ておくことが望ましいです。
近年、電子データでの受領に対応した企業も増加していますが、取引先によっては紙での発行を希望される場合もあります。事前に電子化の方針を共有しておくことで、トラブルの発生を防げます。スムーズな取引を維持するためにも、導入前の説明や合意形成を図りましょう。
改ざん防止の措置を講じる
電子領収書は編集や削除が可能なため、改ざん防止対策が必須です。
具体的な方法としては、タイムスタンプの付与や、訂正・削除履歴が残るシステムでの保存が有効です。
これにより、発行日時の証明と改ざんの有無を確認できます。信頼性を確保するためにも、適切な対策を講じましょう。
電子領収書に関するよくある質問
Q1. 電子領収書に電子署名は必須ですか?
電子領収書に電子署名は必須ではありません。
電子帳簿保存法では、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴が残るシステムでの保存など、真正性を担保する措置が求められています。
電子署名はその一つの方法であり、必須ではないものの、信頼性を高める手段として有効です。
Q2. 紙の領収書をスキャンして保存する場合も電子領収書として認められますか?
はい、認められます。
ただし、スキャナ保存として電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。
具体的には、一定期間内のタイムスタンプ付与や、解像度・カラー要件、訂正・削除履歴の確保などが求められます。
要件を満たさない場合は、紙のまま保管が必要です。
Q3. 電子領収書でも税務調査で問題になることはありますか?
要件を満たしていない場合は問題になる可能性があります。
例えば、タイムスタンプが付与されていない、検索要件を満たしていない、データの改ざん防止措置が不十分といったケースです。適切なシステムを導入し、法令に沿った運用を行うことでリスクを防げます。
まとめ
電子領収書は署名が必須ではなく、法改正により導入しやすい環境が整っています。印紙税の削減や業務効率化など、多くのメリットがある一方で、要件対応や初期費用には注意が必要です。適切なシステムを導入し、運用ルールを整備することで、電子化の効果を最大限に引き出せるでしょう。
電子契約サービスである ベクターサイン を活用すれば、高いセキュリティのもと、タイムスタンプの付与や領収書の保存までを一元管理できます。業務効率化と法令対応を同時に実現したい方は、ぜひご検討ください。
この記事を監修した人:ベクターサイン