電子署名に印紙税はかかる?不要な理由やメリット・ポイントを徹底解説
電子契約の普及にともない「電子署名を付けた契約書にも印紙税はかかるのか?」と疑問に感じられる方が増えています。結論からいえば、電子契約書には原則として印紙税はかかりませんので安心です。
本記事では、電子署名と印紙税の関係について解説していきます。
また、印紙税が不要とされる理由から例外、注意点も解説しているため、ぜひ参考にしてください。
▶関連記事: 電子署名とは?電子署名の流れと基本的な仕組みをわかりやすく解説
電子契約書に対して印紙税が不要な理由
結論からいえば、電子契約書には印紙税はかかりません。
ここでは、印紙税が不要な理由について、主な2つを説明します。
① 課税対象は「紙の文書」のみ
印紙税は、「課税文書」を作成した場合に課される税金です。印紙税法基本通達では、「課税文書」を紙の書面で作成されたものに限定しています。
電子契約では、契約書は電子データとして作成され、インターネット上で送信・保管が行われます。このような電子ファイルのやり取りは「紙への記載行為」に該当しないため、課税文書の作成とはみなされません。
そのため、電子署名を付与した契約であっても印紙税は不要です。
また、電子契約書を印刷したものが単なる控えであれば課税対象にはなりませんが、契約成立のための正式な文書として扱う場合は課税対象となる可能性があります。電子領収書も同様に、紙で発行しない限り印紙税は発生しません。
② 国税庁や国会における政府答弁
2005年の国会質問における政府答弁でも、「文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されない」と示されています。なお、この見解は現在の実務運用でも踏襲されています。
※参考: 国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」
電子署名で印紙税が不要になるメリット
電子署名で印紙税が不要になることで得られるメリットはさまざまです。単なるコスト削減にとどまらない効果が期待されているため、多くの企業から注目されるようになりました。
ここでは、電子署名で印紙税が不要になるメリットを3つ紹介します。
コスト削減効果が大きい
電子署名を導入すると、契約書に必要だった印紙代が不要になるのが大きなメリットです。印紙代は契約金額に応じて数千円から数万円に及ぶため、契約件数が多い企業ほど削減効果を実感できるでしょう。
さらに、紙の契約に必要だった印刷費や郵送費も削減されるため、年間で見ると大幅なコスト圧縮につながります。そのため、継続的に契約を締結する業種は、電子契約への移行によって固定費が削減されるケースも少なくありません。
ペーパーレス化が進み業務効率化が期待できる
電子署名の活用により、契約書の作成から締結、保管までをすべてオンラインで行えます。印紙の購入や貼付といった作業が不要になるため、担当者の手間が大きく軽減されるのがメリットです。さらに、郵送でのやり取りも不要になり、契約締結までのリードタイムが短縮されます。データとして保管することで検索や共有が容易になり、必要な情報へ迅速にアクセスできる環境が整うのも嬉しいポイントです。
コンプライアンス強化にもつながる
電子署名は、契約書の改ざん防止や本人確認の仕組みを備えているため、契約の信頼性向上に寄与します。
紙の契約に比べて履歴管理がしやすく、誰がいつ操作したかについて、明確に把握できるのです。
その結果、不正リスクの低減や内部統制の強化につながります。さらに、電子契約サービスを活用すれば契約書の一元管理が可能となるため、管理体制の整備に役立つのもメリットです。
「ベクターサイン」は、契約の締結から保管までを一括で管理できる電子契約サービスです。
効率性と安全性の両立を目指す企業はぜひご検討ください。
電子契約導入前にチェックしておきたいポイント
電子契約をスムーズに導入するためには、事前準備が重要となります。導入後のトラブルを防ぎ、電子契約のメリットを最大限に引き出しましょう。
ここでは、電子契約導入前にチェックしておきたいポイントを3つ紹介します。
法務業務の現状を確認する
まずは、現在の契約業務の実態を把握する必要があります。自社や個人事業として取り扱っている契約書の種類や年間での締結件数を整理し、どの契約が電子化に適しているかを見極めるのがポイントです。契約の中には、法令や取引慣行の関係によって、紙での締結が求められるものも存在します。
そのため、電子化が可能な契約と紙で対応すべき契約を事前に区別しておくことが重要です。現状を正確に把握し、無理のない導入計画を立てましょう。
自社に合っているか確認する
電子契約サービスは多様化しているため、自社に適したものを選定することが大切です。必要な機能やセキュリティ要件を明確にし、複数のサービスを比較しながら検討を進めましょう。
例えば、承認フローの柔軟性や外部システムとの連携性、操作性の高さなどは重要な判断材料となります。
自社の業務フローに適合しないサービスを選ぶと、業務負担が増えてしまう可能性があるため、導入前に要件を整理し最適なサービスを見極めましょう。
社内規程の整備・管理を行う
電子契約を安全に運用するためには、社内ルールとして「電子契約利用規程」の整備も大切です。
電子契約の利用範囲や対象業務を明確にした上で「電子契約利用規程」を策定しましょう。
また、電子署名の利用方法や権限設定についても具体的に定めておく必要があります。
運用ルールが曖昧なままですと、不正利用やトラブルの原因になりかねません。
あらかじめ管理体制を整えておくことで、社内全体で統一された運用が行われ、安心して電子契約を活用できる環境が整います。
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さらに、電子署名法や電子帳簿保存法などの法令にも準拠しており、安心して長期運用できる点も魅力です。
電子署名の印紙税に関するよくある質問
Q1. 電子契約書を印刷して保管した場合、印紙税はかかりますか?
印刷したものが単なる控えであれば、印紙税はかかりません。課税対象は紙の文書として作成された契約書に限られるため、電子データで成立した契約を後から印刷しても課税文書への該当とはなりません。ただし、印刷物を正式な契約書原本として扱う場合には、課税対象となる可能性があります。
Q2. 取引先が紙の契約書を希望した場合はどう対応すべきですか?
取引先の意向に合わせ、紙での契約に柔軟に対応することが大切です。業種や慣行によっては紙が求められるケースもあります。紙と電子を併用できる運用体制を整えておくと、取引先を問わずスムーズに対応できます。
Q3. 電子契約でも収入印紙以外の費用は発生しますか?
電子契約サービスの利用料が発生するケースが一般的です。ただし、印刷費・郵送費・保管コストなども削減されるため、総合的に見ればコストダウンにつながります。
導入前に契約件数と料金を試算し、費用対効果を確認しておきましょう。
まとめ
電子署名を活用した電子契約では、原則として印紙税は発生しません。これは紙の文書を作成しておらず、課税対象に該当しないためです。その結果、印紙代の削減や業務効率化といったメリットが得られます。
一方で、導入にあたっては自社の業務や運用体制を整理し、適切なサービスを選ぶことが重要です。
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