電子契約サービス比較!自社に最適なツールを選ぶためのポイントと主要5社を徹底解説
2020年以降、テレワークの普及や法改正(電子帳簿保存法など)を背景に、多くの企業が電子契約サービスを導入しています。しかし、いざ自社に導入しよう、あるいは現在のツールから乗り換えようと考えると「どのサービスも同じに見えて、違いがわからない」「取引先に負担をかけないツールはどれ?」「セキュリティや法的効力は本当に大丈夫?」などの悩みに直面しがちです。
本記事では、電子契約サービスを選ぶ際の「重要ポイント」を詳しく解説した上で徹底比較します。自社のビジネスモデルや規模に最適なツールを見つけるための参考にしてください。
電子契約サービスを導入する3つのメリット
比較に入る前に、電子契約サービスを導入することで得られる具体的なメリットを整理しておきましょう。主なメリットは以下の3点です。
コストの大幅な削減
従来の紙の契約書で発生していた「印紙税」「郵送代」「封筒代」「印刷代」がすべて不要になります。特に、数千円〜数万円におよぶ印紙税が非課税になる点は、コスト面における最大のメリットです。
契約締結までのスピード向上
紙の契約書の場合、印刷、製本、捺印、郵送、相手方の捺印、返送といったプロセスを経て、締結までに数日から1週間以上かかっていました。電子契約であれば、最短数分〜数時間で契約が完了します。
業務効率化と管理コストの削減
契約書の検索がシステム上で一瞬で行えるようになり、過去の契約内容を確認する手間の削減につながります。また、ファイリングや保管スペースの確保といった物理的な管理コストもゼロになります。
失敗しない!電子契約サービスを選ぶ「3つの比較ポイント」
電子契約サービスは多種多様であり、料金だけで選ぶと「社内の基幹システムと連携できなかった」「取引先が使いこなせなかった」といった失敗につながります。以下の3つのポイントで比較することが重要です。
①電子契約の署名タイプ(「当事者型」か「立会人型(事業者署名型)」か)
電子契約の署名タイプには、大きく分けて2つの種類があります。
・当事者型(実印タイプ)
契約する双方がそれぞれ「電子証明書」を取得し、本人が直接署名する方式。本人確認の厳格性が極めて高く、高額な取引や重要な契約に適していますが、電子証明書の取得コストと手間がかかります。
・立会人型(事業者署名型 / 認め印タイプ)
サービス運営会社が第三者(立会人)として、メール認証やワンタイムパスワードを用いて本人確認を行い、署名を付与する方式。相手方はアカウントを持っていなくても手軽に署名できるため、現在のビジネスシーンではこの「立会人型」が主流となっています。
多くのサービスが両方に対応、あるいは主流の立会人型を採用しています。
②電子契約サービスの操作性(取引先・送信相手の利便性と負担)
電子契約は、自社だけでなく取引先(契約相手)にも操作してもらう必要があります。
- 相手方がアカウント登録(無料プランへの加入など)を必須とするか
- スマートフォンからでもスムーズに署名できるか
- 画面の操作性が直感的でわかりやすいか
相手方の負担が大きいツールを選んでしまうと、「電子契約ではなく紙でお願いします」と断られ、結局普及しない原因になります。
③セキュリティ体制とサポート体制
契約書は企業における最重要機密情報の一つです。以下の点を事前にチェックしておく必要があります。
- 2要素認証(SMS認証など)が利用できるか
- 通信の暗号化やISO 27001(ISMS認証)を取得しているか
- 電子帳簿保存法に対応した検索機能やタイムスタンプ機能があるか
- 導入時やトラブル発生時のカスタマーサポートは手厚いか(電話対応、チャット対応の有無)
電子契約サービスの特徴・徹底比較
日本国内で多くの企業に利用されている主要サービスを個別に比較・解説します。
ベクターサイン(Vector Sign)(運営会社:株式会社ベクターホールディングス)
月額基本料金0円から導入でき、導入コストや固定費の無駄を徹底的に抑えた圧倒的なコストパフォーマンスが最大の強みです。
特徴:契約ステータスの可視化により進捗が一目で把握できるほか、他社サービスで締結した契約書の一括アップロード保管、閲覧制限、操作ログ追跡など、高度な契約書管理機能を備えています。
メリット:ユーザー数・文書保管数が無制限のため、一部部署でのスモールスタートから全社展開への拡大がスムーズに行えます。全プランでフル機能が利用でき、送信量に応じた多様なプランやチャージパックが用意されているため、事業規模に合わせて柔軟に運用可能です。
注意点:外部ツール(SFA・CRM等)との標準連携機能や基幹システム等との高度な自動連携を前提とする場合や、取引先への認知度を最優先する運用では事前確認が必要です。
クラウドサイン(CloudSign)(運営会社:弁護士ドットコム株式会社)
日本の法律に準拠した設計で、日本の商習慣にマッチしている点が最大の強みです。
特徴:弁護士が監修している安心感があり、UI(操作画面)が非常にシンプルで分かりやすく、受信者(取引先)はアカウント作成不要で、メールのリンクから数クリックで署名が完了します。
メリット:「クラウドサインなら知っている」「すでに他社との取引で使ったことがある」という企業が多く、取引先の承諾を得やすいのが最大のメリットです。外部連携できるツールも豊富です。
注意点:他社に比べると、送信件数ごとの従量課金(1件あたり数百円)などのコスト設定がやや高めに設定されているプランがあるため、月間の契約書送信件数が極めて多い企業はコストシミュレーションが必要です。
GMOサイン(電子印鑑GMOサイン)(運営会社:GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)
当事者型・立会人型のハイブリッド運用に強みを持つサービスです。
特徴:電子認証局を自社グループ内に持っている(GMOグローバルサイン)ため、セキュリティの信頼性が高く、電子証明書を用いた「当事者型」の署名も比較的低コストで導入できます。
メリット:基本料金(月額費用)や送信料が業界最安値水準に設定されており、コストを抑えて導入したい企業に最適です。また、アカウントを持たない相手へ送る際の制限が少なく、企業のセキュリティ要件に合わせた細かい権限設定が可能です。
注意点:多機能である反面、初期設定や管理画面の構成がやや複雑に感じられる場合があります。導入時には社内向けの運用ルールの策定が推奨されます。
DocuSign(ドキュサイン)(運営会社:DocuSign Inc. / 日本法人:ドキュサイン・ジャパン株式会社)
世界180カ国以上、100万社以上で利用されているグローバルスタンダードの電子契約サービスです。
特徴:世界シェアNo.1を誇り、多言語対応(数十カ国語)が標準で備わっています。海外の取引先や子会社との契約が多い外資系企業やグローバル企業にとっては、事実上のファーストチョイスとなります。
メリット:世界最高水準のセキュリティ規格をクリアしており、米国や欧州の厳格な法規制にも準拠しています。SalesforceやMicrosoft製品、Google Workspaceなど、海外製ツールとの連携プラグインが最も充実しています。
注意点:契約画面やサポートの一部が英語ベース(または翻訳調の日本語)になる部分があり、日本のドメスティックな中小企業同士の取引においては、相手方が操作に戸惑うケースがあります。
マネーフォワード クラウド契約(運営会社:株式会社マネーフォワード)
バックオフィス全体の効率化を得意とする「マネーフォワード クラウド」シリーズの一角です。
特徴:会計、人事労務、請求書作成など、同社が提供する他のクラウドサービスとの親和性が極めて高いのが特徴です。
メリット:すでにマネーフォワードの他サービス(会計や経費精算など)を導入している場合、マスタ情報(従業員や取引先)をそのまま連携できるため、管理の手間が省けます。また、契約の締結だけでなく、契約書の「保管・管理(期限管理)」の機能が標準で充実しています。
注意点:単体での電子契約機能としては、クラウドサインやDocuSignほどニッチで高度なワークフローカスタマイズができない場合があります。マネーフォワードシリーズ全体でバックオフィスを統一したい企業向けと言えます。
ひと目でわかる!主要5社比較一覧表
| サービス名 | 主な特徴 | 署名タイプ |
|---|---|---|
| ベクターサイン | 月額基本料0円、費用は文書の送信分。文書の承認ルート設定、一括管理も対応 | 立会人型 |
| クラウドサイン | 日本の法律に準拠した設計 | 立会人型 / 当事者型 |
| GMOサイン | セキュリティ重視、ハイブリッド署名対応 | 立会人型 / 当事者型 |
| DocuSign | グローバルスタンダード、海外取引・外資系向け | 立会人型 / 当事者型 |
| マネーフォワード クラウド契約 |
MFシリーズ利用者向け、バックオフィスの一元化、契約書管理機能が充実 | 立会人型 |
電子契約を安全に保管するための注意点
電子契約を安全に保管するには、法令要件を満たせば良いものではありません。たとえ法令要件を満たしていても、不適切な管理は情報漏洩やデータ消失につながるおそれがあります。不正アクセス防止や定期的なバックアップなど、リスクを最小限に抑える運用管理を徹底しましょう。
電子契約の保管方法に関するよくある質問
Q1. 電子契約の保存期間はどのくらいですか?
A.法人税法上、原則として7年間の保存が必要です。ただし、欠損金の繰越控除を適用する事業年度は最長10年間の保存が求められます。会社法でも重要書類は10年間の保存が定められているため、実務上は10年間を目安に保管するのが一般的です。
Q2. 紙で締結した契約書をスキャンして電子保存できますか?
A.可能です。電子帳簿保存法の「スキャナ保存」に該当し、要件を満たせば原本の紙を破棄することも認められています。ただし、解像度(200dpi以上)やタイムスタンプの付与など一定の要件があるため、運用ルールを整備したうえで対応しましょう。
Q3. 電子契約サービスを解約した場合、保管データはどうなりますか?
A.サービスによって対応が異なり、解約と同時にデータが削除されるケースもあります。契約データは法定保存期間にわたる保管義務があるため、解約前にデータをエクスポートし、別の保管先へ移行する準備が必要です。サービス選定時には、エクスポート機能の有無も確認しておきましょう。
まとめ
電子契約の保管は、電子帳簿保存法の要件を満たしながら適切に管理しなくてはなりません。自社での運用も可能ですが、法対応やセキュリティ対策の負担を考慮すると、電子契約サービスの活用が効率的です。効率性と安全性を両立した管理体制を構築するためにも、自社に合ったサービスの導入を検討しましょう。
「ベクターサイン」は、電子契約の締結から保管までを一元管理できるサービスです。法令要件に対応した機能を備え、スムーズな運用を実現します。電子契約の導入や見直しを検討している場合、ベクターサインの活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
この記事を監修した人:ベクターサイン